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人間関係 · 衝突と修復

そのケンカ、本当はべつのことが原因かもしれない

お皿のケンカは、結局お皿の話じゃない。たいていの言い争いは、言葉の下に隠れた流れの上で起きていて、それを感じ取れるようになると、いつもの同じケンカが同じところをぐるぐる回るのをやめる。自分たちが本当は何でもめているのかを見つける方法と、見つけたあとにどうすればいいかを紹介します。

写真のためにポーズをとって座る男性と女性

Photo by Ayo Ogunseinde on Unsplash

ちょっとしたヒント

  • 不満の中にある願いを聞き取ろう。
  • いったん休もうと声をかけ、戻ると約束しよう。
  • 落ち着いたら、本当の痛みに名前をつけよう。

キッチンに立っていて、ケンカの種はシンクいっぱいの洗い物。あるいは、六時間返ってこなかったメッセージ。あるいは、配管屋に電話をするのは誰だったかという話。始まって五分もすれば、お皿ごときでは到底説明のつかない大きさで二人とも声を荒げていて、心のどこか静かな部分はそれに気づいている。このケンカ、前にもまったく同じものをしたことがある。たぶん来月も、ちがう服を着てまたやることになる。

小さなことが大きなことに爆発するとき、それはたいてい、小さなことが本当の問題ではなかったというサインだ。お皿の下には、お皿とはまるで関係のない問いがある。わたしがどれだけ背負っているか、見えてる?わたしは大切な存在?わたしはこの中でひとりぼっち?こうした問いが、声に出して言われることはめったにない。家事への不満という姿に変装して、こっそり持ち込まれる。問いそのものより、不満のほうが安全に感じられるからだ。

不満の下にある問いを聞き取れるようになると、ケンカの進み方そのものが変わる。衝突がなくなるからではない。本当に痛んでいるところに応えられるようになり、おとりに向かって殴りかかるのをやめられるからだ。

ケンカには二種類ある。そして片方は解決したままにはならない

何十年も研究室で夫婦を観察してきた人間関係の研究者、ジョンとジュリーのゴットマン夫妻は、衝突を二つのタイプに分けている。解決できる問題もある。それは特定の状況についてのもので、よい会話が、ちゃんと持続する解決を生む。請求書はこうやって分けよう、義理の家族とはこんなふうに付き合おう、という具合に。解決すれば、解決したままになる。

そして、もう一方がある。ゴットマン夫妻はそれを「永続的な問題」と呼んでいる。ここが多くの人を驚かせる部分なのだけれど、彼らの数え方では、夫婦が抱え続ける衝突のおよそ69パーセントが永続的なものだという。これは、二人それぞれが根本的にどういう人間かに根ざした意見の食いちがいだ。一方はもっと近さを求め、もう一方はもっと余白を求める。一方はいつも早めに動き、もう一方はいつも遅れる。一方は安心のためにお金を使い、もう一方は安心のために貯める。これらは解決できない。直すべき壊れたものなど何もないからだ。これは、まるごと一人の人間が二人、ひとつの人生を分け合うときに生まれる摩擦なのだ。

この数字は、少しじっくり受け止めてみる価値がある。もめごとの大半が永久には解決できないのなら、言い争いに「勝つ」ことは、そもそも目的ではなかったのだ。ゴットマン夫妻が見つけたのは、うまくいく夫婦とそうでない夫婦を本当に分けるのは、こうした問題を解決できるかどうかではない、ということだった。分けるのは、会話を酸のように変えてしまわずに、それについて話し続けられるかどうかなのだ。その反対が、こう着状態。同じケンカが固まってしまい、それぞれが塹壕に身を埋め、話すことがもうどこにもたどり着けないように感じられる場所だ。

だから、同じケンカをくり返しているなら、あなたは失敗しているわけではない。自分たちの永続的な問題のひとつを見つけただけだ。やるべきことは、それを打ち負かすことではない。それと同じ側に立つ方法を学ぶことだ。

表面の不満の下に隠れているもの

最近のケンカを、二つの層があるものとして考えてみてほしい。中身がある。それは、言葉が何について語っていたかだ。そして意味がある。それは、そのケンカが二人それぞれに、自分自身について、そしてお互いについて、どう感じさせたかだ。中身を言い争って意味を無視するとき、ケンカはエスカレートする。

本当の意味の大半は、いくつかの場所に住んでいる。次のどれかが、あなた自身の言い争いに心当たりがないか見てみてほしい。

  • 見逃された、注意を引こうとする合図。「あなたいつもスマホばっかり」は、めったにスマホの話ではない。選ばれていると感じたかったのに、感じられなかった、と言っている人なのだ。
  • 押されてしまった古い傷。もしパートナーが、自分は見えていない存在だと感じながら育ったなら、忘れられた予定は、その予定にふさわしい以上にずっと重く着地する。反応の大きさは、新しい出来事ではなく、古い傷に合わせてある。
  • 見てもらえていない価値観や欲求。お金のケンカが、実はお金の話ではないのは有名だ。それは、安心、自由、公平さ、よい人生とはどういうものかについて、それぞれが教わってきたことの話なのだ。
  • 横から出てきてしまった、修復の求め。ときにケンカは、こう言おうとする試みでもある。前のことでまだ傷ついていて、わたしたちはあれをちゃんと終わらせていない、と。

気づいてほしいのは、このどれもが、家事のような意味では解決できないということだ。「選ばれていると感じたい」は、お皿を速く洗っても直せない。でも、聞くことはできる。そして、聞いてもらえることが、その人がずっと手を伸ばしていた当のものであることは多い。

なぜそんなに速く怒鳴り合いに傾いていくのか

こうした言い争いが話題を飛び越えて渦を巻いていくのには、身体的な理由がある。それは、どちらの人格の欠陥でもない。衝突が十分に激しくなると、身体があふれる。夫婦を研究する人たちは、感情のフラッディング(あふれ)を、覚醒があまりに高く上がって、はっきり考える力がオフラインになる圧倒の状態だと説明している。その状態では、パートナーのあらゆる動きを、ありうるかぎり最悪の光のなかで読みはじめ、実際に何かを解決する力は失われていく。

あふれた状態は、交渉するにはひどい状態だ。心臓は高鳴り、推論は防御と反撃だけに狭まり、そのどこかで、もともとのお皿はすっかり消えてしまっている。だから「今ここで全部話して片づけよう」は、しょっちゅう事態を悪くする。二人の身体がどちらも脅かされていると確信しているとき、ケンカの下にある、やわらかくて本当のものには手が届かない。

ここでの一手は、何かを解決するよりずっと謙虚なものだ。自分があふれてきていると感じたら、やさしい一手は、押し通すことではなく、いったん休もうと声をかけることだ。「このことはちゃんと話し続けたい。でも、まず二十分ちょうだい」。そして、本当にその二十分をとり、本当に戻ってくる。戻ってこない休止は、ただ行儀のよくなった見捨てにすぎない。戻ると約束した上での休止は、ケンカの最中にできる、もっとも愛情深いことのひとつだ。

その場で、本当のものを見つける方法

これをするのに、セラピストになる必要はない。必要なのは、いくつかの正直な問いと、ただ正しくありたいだけのときにそれを問う意志だ。

  1. 怒りの下で、自分が本当は何を感じているのか、自分に問いかける。怒りはたいていボディガードだ。その後ろには、傷つきや恐れ、さびしさがよくある。「忘れたことに腹が立つ」は、しばしば「自分が大切にされていないと感じた」だ。まず自分に向けて、それに名前をつける。それが、次に言うことの言い方をやわらげる。
  2. 判決ではなく、気持ちを言う。「あなたはわたしのことなんて全然考えてない」は判決で、それは防御を招く。「今夜はさびしかった」は気持ちで、それは差し出される手を招く。ゴットマン夫妻は、責めずにやさしく何かを切り出すやり方を「ソフト・スタート」と呼んでいて、ソフト・スタートは、会話全体がどう進むかを示す唯一最良の予測因子だ。
  3. 相手の裏側にも、好奇心を向ける。パートナーが小さなことに過剰に反応しているとき、それは、見た目以上に大切な何かを踏んでしまったという合図だ。「なんでこんなことを大ごとにするの」の代わりに、「これはあなたにとってすごく意味があることみたいだね、わかるように教えて」と言ってみる。その問いは、たった一文でケンカを和らげることができる。
  4. 不満の中にある願いを聞き取る。ほとんどすべての不満には、隠れた切望が含まれている。「あなたは家にいてくれない」は、もっとあなたを求めている。「手伝ってくれない」は、その重荷の中でひとりだと感じたくないと願っている。願いに応えられれば、不満はたいてい溶けていく。

アメリカ心理学会(APA)は、何が夫婦を健やかに保つかについての研究をまとめて、似たような場所に着地している。意見の食いちがいはふつうのことで、悪い関係のサインではない、けれど、どう言い争うかはとてつもなく大事だ、と。パートナーの視点に耳を傾け、その気持ちを理解しようとすることが、建設的な道だ。さげすみ、心を閉ざして黙りこむこと、急所をねらいに行くことは、関係を蝕むものだ。ちがいは、言い争うかどうかではない。ケンカの最中に、お互いを理解しようとする人間どうしでいられるかどうかなのだ。

ケンカそのものより、修復のほうが大事だ

若いうちには誰も教えてくれないことがある。目標は、ケンカをやめることではなかった、ということだ。長続きする夫婦も、やっぱり言い争う。彼らがうまいのは修復のほう。裂け目のあとで、二人をもう一度お互いのほうへ引き寄せる、小さな動きだ。修復の試みは、緊張をほぐすジョークでも、肩に置いた手でも、やわらかくなった声でも、「この感じ、わたしは好きじゃないな」というシンプルな一言でもいい。エレガントである必要はない。それでもまだあなたたちでいたい、今このときでさえ、怒っていてさえ、と告げる合図でありさえすればいい。

修復が届くかどうかを決めるのは、相手が手を伸ばし返してくれるかどうかだ。完璧にオリーブの枝を差し出しても、無視されることはありうる。それは痛い。だからこの部分は二人がかりだ。パートナーが、ぎこちなくも事態をやわらげようとしてくれたとき、その不器用なジョークや中途半端な謝罪は、見た目以上の価値がある。十分とは思えなかった修復を受け取ることは、それ自体がひとつの愛の行為だ。

もう半分は、熱が去ったあとに起きることだ。本当のケンカを、それが何についてだったのか一度も名づけないまま、ただ蒸発させてはいけない。一日か二日経って、二人とも落ち着いたら、そこへ戻ってみる価値がある。どちらが正しかったかを蒸し返すためではない。静かな部分を言うためだ。「わたし、たぶん全部ひとりでやってる気がして、それであんなに動揺したんだと思う」。平時に言われるこの一文こそが、永続的な問題を実際に動かすものだ。あふれている間には手の届かなかった一文だ。多くの夫婦は、これを口にしないまま終わる。ケンカが終わった安堵だけで、もう十分に感じられてしまうからだ。でも、ほんとうは、それでは足りない。ケンカが終わることは、出血を止める。そのあとの会話が、傷を閉じるのだ。

修復が定着しやすくなる、いくつかのこと。

  • 自分の側から先に切り出す。「きつい言い方をした、ごめんね」は、ほとんど誰の武装も解く。それは、あなたに払えないものを何も奪わない。
  • その場で謝罪を返せと迫らない。自分のものを差し出して、相手のものはその人なりの時間に来るままにしておく。
  • 落ち着いたら、根っこにあるものに名前をつける。やさしく、相手への非難ではなく、自分についての情報として。
  • 問題が問題なのであって、お互いが問題なのではない、と声に出して二人で決める。一つの問題に立ち向かう二人は、いつだって、向かい合って争う二人に勝つ。

同じケンカがどうしても終わらないとき

永続的な問題のなかには、やさしく話せるようになりさえすれば、共に抱えて生きていけるものもある。一方で、ある夢やある欲求があまりに大切で、その上に乗っているせいで、どれだけソフトに始めてもこう着が動かないものもある。それは、歯を食いしばって耐えるより、知っておく価値がある。何年も同じ言い争いを続けていて、それがどちらか、あるいは二人ともを小さく感じさせるなら、あるいはその会話がもう残酷にならずには起きられないなら、それはあなたが壊れているサインではない。二人が、キッチンの会話では抱えきれない、もっと大きな何かにぶつかったというサインだ。

夫婦カウンセラーは、最後の手段でも、失敗を認めることでもない。二人が近すぎて自分では見えなくなっている「ものの下にあるもの」を見つけ、本当に話せる程度に二人を落ち着かせておく、その手助けに訓練された人だ。お互いを愛している人たちが、たくさんこの地点にたどり着く。助けを求めることは、一緒にいるつもりの人たちがすることだ。

そして、もしその言い争いが、衝突ではなく「自分は安全ではない」と感じられるものに変わったなら、それは別の話で、ひとりで抱えるべきものではない。信頼できる誰か、あるいは一緒に考えるのを手伝ってくれる専門家に、連絡を取ってほしい。

次に、お皿がどこからともなく爆発したら、もう一秒だけ、好奇心のままでいてみてほしい。お皿はうるさいけれど、それが要点であることはめったにない。要点はたいてい、もっと静かに、お皿のすぐ後ろに立っていて、あなたがそこにいると気づいてくれるのを願っている。

出典

読み終える前に、ケアについて一言

KEEP CALM は、無料の教育的なセルフヘルプツールを提供しています。これは医療上の助言、診断、治療ではなく、専門的なケアの代わりになるものではありません。ここで読んだことが、日々のストレス以上のものとして心に響いたなら、専門家に相談することは強く、そして賢明な一歩です。

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