ちょっとしたヒント
- タイマーを60分にセットして、鳴ったらやめる。
- まず自分の数字を読む。二人とも読み終わるまでコメントなし。
- 共有の決定を一つ、席を立つ前に書き留める。
今週末、お金のことで二人でちゃんと話そう。そう決めたんですよね。実はそこがいちばん難しいところで、それがカレンダーに入っているというだけで、二人のことをいいなと思います。足りないのは進め方の順番です。それがないと、その一時間はいちばん不安が強いほうへ流れていきます。お金の話が、どちらか一人の使い方の点検になってしまうのは、たいていそこからです。
対策は地味です。そして、ちゃんと効きます。会話ではなく、会議としてやってください。毎月同じ日に、60分、テーブルの上にタイマー、決まった進行順、そしてどちらかが席を立つ前に、決めたことを一つ書き留めること。
これは、昔のお金の揉めごとを解決するための時間ではありません。それはまた別の作業です。これは会議です。揉めごとがだんだん減っていくように、二人が月に一度やること。お金の言い争いのほとんどは、本当はお金の話ではありません。不意打ちの話です。そして会議は、不意打ちを取り除くための装置です。
取り調べにならないように、お金の話をどう切り出せばいい?
まず、お互いが自分の数字を声に出して読むところから始めます。二人とも読み終わるまで、口をはさむのはなしです。このルール一つが、どんな心がけよりも効きます。取り調べというのは片方がもう片方の選択を語ることですが、この形式なら、最初の10分間はそれが構造的に起こりえないからです。
避けたくなるのが普通なのには、理由があります。コーネル大学(Cornell)の研究者 Emily Garbinsky と Suzanne Shu は、お金の不安がいちばん大きい人ほど、パートナーとお金の話をするのを避けやすいことを見つけました。しかもそれは、解決できないと思い込んでいる言い争いを予想してしまうからでした。同じ研究では、二人がお金の意見の違いを「チームとして解決できるもの」と捉えられたとき、話を切り出す気持ちがずっと強くなることも分かっています。
だから、数字が出てくる前に枠組みを決めておきましょう。二人は、同じテーブルの同じ側から一つの状況を見ている、そういう二人です。毎回、最初に声に出して言ってください。言う必要がなくなるまで。
パートナーとのマネー会議は、どんな順番で進める?
60分、5つのブロック、毎月同じ順番。そうすれば、誰も舵を取らずにすみます。開始に5分、数字を読むのに20分、変わったところを見るのに15分、一つ決めるのに15分、締めに5分。
今夜そのまま使えるように、順番を書いておきます。
- 開始、5分。 タイマーを動かします。今月よかったことを、一人一文ずつ。ウォーミングアップの儀式ではなく、枠組みです。うまくいっているところから始める、ということ。
- 自分の数字を読む、20分。 それぞれが自分の6つの数字を声に出して読みます。毎月同じ順番で。手元にあるお金、自分の借り、人から返ってくるお金、固定費、今月自由に使えるお金、そして予備の蓄え。誰かが読んでいる間、相手は何も言いません。
- 変わったこと、15分。 ここから話します。先月との違いだけ。これまでの全部を話すのではありません。
- 決定を一つ、15分。 ちょうど一つ。二人で合意して、書き留めます。計画でもしくみでもなく、変更を一つ。
- 締め、5分。 決めたことを読み上げます。次の日程を決めます。タイマーが鳴ったら、文の途中でもやめます。
うまくいかなくならないための、3つのルールとは?
3つです。そしてこれは譲れません。どれもが、決まった形の失敗を一つずつ潰しているからです。自分の数字を読む、相手の数字は絶対に読まない。最初の30分は決定をしない。そして一回の会議で決定は一つ、書き留める。
ルール1は、取り調べをなくします。「あなたが使った」と言いかけている自分に気づいたら、それはもう破れています。直し方は、自分の欄に戻ること。ルール2は、不意打ちをなくします。6分目に出てきた決定は、たいてい二人の決定ではなく、不安が強いほうの決定だからです。ルール3は、泥沼をなくします。泥沼というのは、二人で8つのことを一度に直そうとして、何一つ決まらず、うちはお金の話が向いていないと結論してしまう、あの会議のことです。
ルールではないけれど、取り入れる価値のある4つ目があります。難しい話は、遅く鋭くではなく、早くやわらかく出すこと。The Gottman Institute(ゴットマン研究所)が定期的な話し合いを勧めるのも同じ理屈で、うまくいっていることと次に必要なことを言う時間を決めておくと、問題が積み上がらずにすむからです。そしてお金についてのこの研究所の文章は、枠組みをこう置きます。二人が向き合うのは相手ではなく、問題のほうだ、と。
これをやるのに、共同口座は必要?
いりません。二人のマネーアワーで共有するのは情報であって、口座ではありません。銀行口座を完全に分けたまま、何年も続けている二人はたくさんいます。
大事なのは、二人とも見る必要があるものと、二人とも持つ必要があるものの違いです。見るほうは全部必要です。一人だけが抱えている数字は、あとで情報としてではなく、機嫌として出てくるからです。持つほうは全部でなくてかまいません。財布を3つ、つまり各自に一つと共有に一つという形にしている人は多く、分けた財布は会議に熱を持ち込むどころか、むしろ熱を下げてくれると感じています。自分だけの財布は境界線であり、境界線は二人の話し合いを難しくするのではなく、やりやすくするからです。
どんな形にするにしても、最初の会議で一つだけ決めてください。これ以上の金額なら、使ったあとではなく使う前に相手に言う、その金額です。食料品のたびに許可を取らなくていいくらい高く、そして何も不意打ちにならないくらい低く。前もって決めたこの一つの数字が、ふつうの買い物を、二人とも予定していなかった話し合いに変えてしまうのを防ぎます。
どちらかの収入がずっと多い場合は?
そのときは、分担をどうするかを声に出して、一度決めて、書き留めてください。ここでの失敗が計算のせいだったことは一度もありません。片方が黙って点数を数えていて、もう片方はもう決着したと思っている、それが失敗です。
多くの二人が行き着くのは、共有の費用を収入に応じた割合で分担する形です。そうすれば、あとに残る自分のお金が二人とも同じくらいになります。それはいい答えですし、唯一の答えでもありません。それよりずっと大事なのは、二人で選んだこと、はっきりした言葉で口に出したこと、そして収入が変わったら決め直すことです。4年ものあいだ、黙って古くなるままにしないこと。
この話のもう半分は、目立たないけれど、もっと大事です。収入が少ないほうの時間が、自動的に安い時間になるわけではありません。片方の収入を本当の貢献とみなし、それ以外を手伝い扱いする会議は、だんだん静かになっていきます。そして静かなマネー会議は、まもなく開かれなくなる会議です。
タイマーが、その部屋でいちばん大事な道具である理由
決める力を、二人からテーブルの上へ移してくれるからです。そしてそれこそが、これを毎月続けられるものにします。
タイマーがあるということは、会議が終わるということです。誰も、もう終わりにしようと言い出す役をやらなくていい。つまり、抜け出したがっているように見える役を、誰もやらなくていいということです。それに、その一時間には終わりがあるということでもあります。終わりのある一時間なら、二人とも来月もまたやると言えます。終わりの見えないお金の話は、人がまず憂うつになり、次に先延ばしを覚えるものです。決まった進行順も、同じ理由で同じ働きをします。誰がいつ話すかを形式が決めてくれるなら、ルールを作った人になる必要が、誰にもないからです。
12回続けてみてください。その中のどの決定よりも価値のあるものが、変わります。お金が、二人がなんとなく持ち歩いている重さであることをやめて、守る約束になります。そうすると、ふつうの火曜日の注意力が、二人ともものすごく空きます。そしてその注意力こそ、二人が本当に一緒に作っている生活に使うはずだったものです。
出典
- Cornell Chronicle, 沈黙の代償:お金の不安が夫婦の会話を止めてしまう
- The Gottman Institute, 「二人の現状」ミーティングのやり方
- The Gottman Institute, お金の話:カップルにとってのデリケートな話題を、少しやさしく