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存在感 · 問われるとき

人前で間違えたあとの、60秒間の立て直し方

一文で、同じ声の大きさのまま訂正して、そのまま話を続ける。「さっきの数字、間違えました。40です、60ではなく」。その場はミスをすぐに水に流すが、どう対応したかはずっと長く覚えている。

テーブルでノートパソコンを前にした三人が、ホワイトボードの横で発表する同僚を見ている様子

Unsplash、Austin Distelによる写真

ちょっとしたヒント

  • 一文で。訂正のあとに、正しい数字を。
  • 間違えたときと同じ声の大きさで。
  • そのまま続ける。謝罪ツアーもなし、退席もなし。

プレゼンが始まって五分、流れは順調だ。会場はこちらの話についてきていて、論旨もきちんと届いていて、想定していた質問への答えも用意してある。そこで、ある数字を声に出して言う。すると二列目にいる誰かの画面には、本当の数字が映っている。正しくは四十で、六十ではない。もう全員が気づいてしまった。会場がこちらの出方を見極めようとする、短い間ができる。

この先の一時間について、まだ何も決まっていない。次に何が起こるかを決めるのは、およそ六十秒だ。そしてこの六十秒には、うまくいく型がある。一文で、同じ声の大きさのまま訂正して、そのまま話を続ければいい。

会場は、思っている以上に早く間違った数字のことを忘れる。残るのは、その人がどう対応したかという記憶だけで、その部分は自分の手で書けるものだ。

みんなの前で数字を間違えた直後、何と言えばいいのか

一文で、この形にする。訂正、正しい数字、そして話していたことへまっすぐ戻る。「さっきの数字、間違えました。40です、60ではなく。だから注目すべきは第二四半期です」

前置きはいらない。「すみません、数字に弱くて」もいらない。間違った数字がどこから来たのかの説明もいらない。誰もそんな話は求めていないし、それを話すほど間違いが画面に映ったままになる時間が三十秒延びるだけだ。訂正は、口にできる中でいちばん短くて役に立つ言葉であり、それを言い終えた瞬間、会場はもう別のことを求めている。だからこそ、三つ目の部分が最初の二つと同じくらい大事になる。話を続けること自体が、合図になる。間違いは大したことではなかったのだと、全員に伝わる。

声の大きさは、思っている以上に大事だ。間違えたときと同じ声の大きさで言う。声を落としたくなるのがよくある反射だが、それは望む効果とは逆に働く。小さな声での訂正は、きまり悪さの表れに見えてしまうし、きまり悪そうな訂正は、その間違いが大ごとだったと会場に伝えてしまうからだ。

同じ三つの要素は、舞台の上でも会議の中でも、そして自分ではなく誰かほかの人が間違いに気づいたときでも、同じように働く。二列目の誰かが「四十ですよ」と言ってきたら、言い訳もせず、必要以上に長く礼も言わない。「そうですね、40です。だとすると注目すべきは第二四半期ですね」。六秒、大げさにならず、そしてこれで会場は自分について二つのことを知ることになる。数字は訂正されたこと、そして自分は騒ぎ立てずに人前で修正できる人間だということだ。この二つは、最初から数字が合っていたことよりも価値がある。

謝るべきか、それとも訂正するだけでいいのか

短く認めることは助けになるが、長い謝罪は助けにならない。Peter Kimらは、信頼がどのように修復されるかを研究し、失敗が能力にまつわるもの、つまり不誠実だったのではなく単に間違えただけの場合には、否定するよりも謝罪するほうが信頼をよく修復することを見出した。

だから「さっきの数字、間違えました」には、ちゃんとした働きがある。短い一言で、間違いを素直に認め、他人に訂正される人ではなく自分の記録を自分で正す人だという印象を作る。この研究がまったく支持していないのは、謝罪ツアーだ。フォローのメール、会議の終わりにもう一度謝ること、三日後にまた持ち出すこと。繰り返すたびに、会場にもう一度その間違いを見つめさせることになる。しかも最初の一回とは違い、それ以降は何も新しい情報を加えない。

この線引きは、実践するのは簡単だ。一度だけ認め、一度だけ訂正し、誰かほかの人が持ち出さない限り、二度と自分からその話をしない。

なぜ訂正には正しい答えも含めないといけないのか

代わりの情報がない訂正は、間違った事実をそのまま放置してしまうからだ。Irene Kanらは、何かが誤りだったと知らされたあとに人がどう考えを更新するかを研究し、代わりとなる情報を示すことだけが、間違った情報がいつまでも残る力を一貫して弱めることを見出した。そして、その代わりの情報を直接的な訂正と組み合わせたときが、いちばんうまくいったという。

これが、あの型の真ん中の部分の存在理由だ。「あの数字は間違っていました」だけでは、会場の手元には六十と疑問符が残ったままになる。「40です、60ではなく」と言えば、それが置き換わる。間違った数字と正しい数字をあわせて言うことで、人はすでにメモした内容を上書きできるようになる。それこそがこちらの本当の狙いだ。なぜなら、会場の半分は手元のメモに六十と書いてしまっているからだ。

これは、答えをすでに知っているときに「あとで確認して連絡します」が聞こえるほど強くない理由も説明している。数字が本当に手元にないときは、あとで確認すればいい。手元にあるなら、会場がまだ疑問を抱えているうちに、その場で、同じ呼吸の中で言ってしまうべきだ。

間違いが数字よりも大きなものだったら

そのときは、事実と提案とをはっきり分けて話し、どちらが変わったのかを言う。「返金の数字が間違っていました。40です、60ではなく。それでも私の提案は変わりません。理由をお話しします」

間違った数字は能力面のちょっとしたつまずきであり、会場もそう受け止める。人が不安になるのは、結論がまだ成り立っているのかどうかがわからないことなので、聞かれる前にそこへ答えてしまう。もし結論自体が変わるのなら、同じ六十秒の中でそう言い、代わりに何をするのかも言う。理由を添えてその場で提案を見直せる人は、まさに会場がその人について知りたがっていることを、身をもって示している。

間違いが正確さの問題ではなく、果たせなかった約束、やったと言いながら実際にはやっていなかったことのようなものだったら、それは別の種類の修復であり、一文では済まない。信頼についての同じ研究も、この違いをはっきりさせている。能力面の間違いを直す素直な認めの言葉は、もう一方の種類には使えない道具だ。

一時間後になって気づいたら

同じ手段の中で、いちばん自然な最初のタイミングで訂正し、二文以内に収める。「今朝の件で一点訂正です。返金の数字は40です、60ではなく。この提案は変わりません」

同じ手段を使うことが大事だ。もし間違いが会場で声に出して起きたのなら、一人にこっそりメッセージを送っても、残りの十一人は間違った数字を抱えたままになる。もし文書の中で起きたのなら、文書を直し、直したことを伝える一行を添える。誰かほかの人にやられる前に、自分でやる。「さっきの数字、間違えました」と言うのと、誰かほかの人に「実はあれ、間違っていましたよ」と言われるのとの違いは、自分の仕事を自分で点検する人と、点検してもらわないといけない人との違いだからだ。

会場が実際に覚えていること

数字ではない。その会場にいたほとんどの人は、来週になれば間違った数字が何だったかなんて言えないし、こちらが何か言うまで気づいてすらいなかった人も何人もいる。

残るのは、間違いを指摘されたときにその人がどう振る舞うかという、十五秒ほどの印象だ。その印象はあとになって、こちらのいない場所で、もっと大きなことを任せられる人かどうかを誰かが判断するときに使われる。うまく対応できれば、人前での訂正は、自分の数字が信じるに値することを示す、もっとも安上がりな方法の一つになる。数字が違っていたら、そう言うつもりだということを、いままさに会場に見せたことになるからだ。

これには逆方向に積み重なっていく型もあり、避けるためにあえて名指ししておく価値がある。人前で何も訂正しない人は、間違えない人ではない。その人の間違いは、あとになって誰かほかの人に見つけられてしまう人であり、たいていはもっと悪いタイミングで、もっと多くの人の前でのことになる。速く訂正するほうが、いつでも、二つのうち安いほうの選択だ。しかもやればやるほど、そのコストは下がっていく。二度その様子を見た会場は、それをもう出来事として扱わなくなるからだ。

もう一つ、これはあとになって人が実際に気をもむことだから触れておく。訂正のことを一日中頭の中で繰り返しても、会場には何の得もなく、そのあとの二時間の仕事の切れ味を鈍らせるだけだ。あの六十秒がすべてであり、それがすべての介入だ。使い終えたら、あとにできる役立つことは、間違った数字がどこから来たのかを確かめ、それを直し、一日を続けることだけだ。

だから、その六十秒を使えばいい。訂正を言い、正しい数字を言い、話を続け、会議の残りの時間こそを人の記憶に残る部分にする。そして、順調に進んでいた、そしていまも順調に進んでいる、その仕事に戻ればいい。

出典

読み終える前に、ケアについて一言

KEEP CALM は、無料の教育的なセルフヘルプツールを提供しています。これは医療上の助言、診断、治療ではなく、専門的なケアの代わりになるものではありません。ここで読んだことが、日々のストレス以上のものとして心に響いたなら、専門家に相談することは強く、そして賢明な一歩です。

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