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PURPOSE · 人のために

今週、誰かの名前を口に出そう。助言だけで終わらせない

メンターはあなたに助言をくれる人。スポンサーは、あなたのいない部屋であなたの名前を口にする人です。その一文は、一年ぶんのコーヒーよりも速くキャリアを動かします。そしてあなた自身にも、人を育てる人という評判をつくってくれます。

同僚二人がノートパソコンをのぞきこみ、片方が画面の何かを指さしている。

写真:Vitaly Gariev(Unsplash)

火曜日に、ほとんど覚えのない人からメッセージが届きました。八年前にもらった二十分ぶんの助言について、あたたかく、長々とお礼が書かれています。二度読み返しても、その会話がどうしても思い出せませんでした。その年のことはよく覚えているのに、その二十分だけが、まるごと抜け落ちているのです。

その週のうちに彼が気づいたことのほうが、ずっと面白い話でした。彼がその助言を語っていたときの仕事は、2011年に、呼ばれてもいない会議で誰かが彼の名前を口にしてくれたから存在していたのです。そのことは、誰からも知らされませんでした。それからの年月、彼は数人にとってじゅうぶんまともなメンターでいましたが、自分がしてもらったことを、誰かのために一度もしていませんでした。

それには名前があります。スポンサーになる、ということ。助言とは別のものです。

メンターとスポンサーは、何が違う?

メンターはあなたに向かって話し、スポンサーはあなたについて話します。メンターは、二人ともいる部屋であなたに助言をくれる人。スポンサーは、あなたのいない部屋で、あなたに何かを手渡せる人たちに向かって、あなたの名前を口にする人です。

この二つが別の行いだと教わった人は、ほとんどいません。だからみんな、最初のほうだけをやって、いいことをした気持ちになって、そこで止まります。Herminia Ibarra、Nancy Carter、Christine SilvaはHarvard Business Review誌で、いちばん多くメンタリングを受けていた人たちは、いちばん多く昇進していた人たちではなかったと報告しました。助言はあふれていて、後押しのほうが足りなかったのです。キャリアを動かしていたのは、上の立場の誰かが自分の信用を賭けて、特定の名前を挙げることでした。そしてHarvard Business Reviewは、その九年後にも同じ隔たりを報じています。

KEEP CALMの創業者、Kaʻohele Carlosは、この習慣を自分の言葉でこう語っています。

私の成功のもうひとつの秘訣は、返すことです。ボランティアをすること。自分のまわりにいる人を、コーチし、育て、助言し、引き上げ、称え、推す機会をいつも探していること。返ってくる前向きなエネルギーと支えは、その十倍になります。

これはあなたへのルールではなく、彼自身の二十年の記録です。役に立つのは、その順番のほう。彼はまだ登っている途中でこれをやっていました。たどり着いてから、ではなく。

かかるもの: 一文と、他人に賭ける少しばかりの自分の信用。 言い方: 「その件で人を探しているなら、Rosaをリストに入れてください。前の四半期の移行を仕切って、何ひとつ壊しませんでした。」 頻度: 月に一度、何かが決まる部屋で。

誰を推せばいいのか、どう選ぶ?

その人の仕事を、具体的な一文で説明できる人を選んでください。そして、すでに誰かに担がれているのが明らかな人ではないこと。具体的であることが、資格のすべてです。事実で裏づけられない名前は、場が本気になったときに、結局あなたが口に出せない名前だからです。

絞り込みは三つ。人づてではなく、あなた自身がその仕事を見ていること。そうすればあなたは、自分の判断を貸すことになります。五歩ではなく一歩うしろにいる人であること。あなたのいる部屋は、その人の次の一手のとなりにはあっても、いつかの到達点のとなりにはないからです。そして、頼んでこなかった人であること。この条件で、静かに優れているのに頼むのが下手な人たちが入ってきます。

これをやるのに肩書きはいりません。企画会議で「あの移行はRosaが仕切りました」と言うチームメイトは、部長が使うのと同じ通貨を使っています。その通貨は権限ではありません。人前で具体的に言い、しかもそれが当たっていた、という事実です。

人前で誰かを称えるとき、何と言えばいい?

その人がやった具体的なことをひとつ、その人への評価が意味を持つ人たちの前で名指しします。ぼんやりした褒め言葉は蒸発しますが、上司の前で言われた正確な一文は、あなたの十一秒ほどで、その人のキャリアの出来事になります。

Adam GrantとFrancesca Ginoは、Journal of Personality and Social Psychology誌で、感謝を言葉にされた人はもう一度手を貸そうという気持ちが明らかに強くなること、そしてその仕組みは義理を感じることではなく、社会的に価値を認められたと感じることだったと報告しています。あなたには値打ちがある、と伝わることが効いているのです。だから「よくやった」は空振りして、「クライアントが契約したのは、彼女が第二章を書き直したやり方のおかげです」は届きます。あとから他の誰かが繰り返して語れるのは、このうち片方だけです。

かかるもの: 十一秒と、自分に向けていた注意を少しだけ。 言い方: 「次に進む前に、ここでDanielがやったことを言わせてください。これが出せた理由なので。」 頻度: 毎週、すでに出ている会議の中で。

今週つなぐべき紹介は、どれ?

貸しを使う感じがして、ずっと寝かせてきたあの紹介です。まず両方に個別に確認して、それから三文で、なぜ互いに時間を使う価値があるのかを書いて送り、あとはスレッドから静かに抜けること。

紹介が高くつくように感じるのは、二人ぶんの相手に自分の判断を同時に貸すからです。だからこそ、受け取る側にとってはあれほど価値があります。先に確認しておくことが、危なっかしい貸しを安上がりなものに変えてくれます。自分の中にしまっておけたはずの紹介は、たいてい、その一週間に人へ渡せるいちばん価値のあるものです。そして、多くの人がいつまでも手をつけないままにするものでもあります。

かかるもの: 五分と、二人に対する自分の信用を少し。 言い方: 「お二人は知り合っておいたほうがいい。Priya、木曜に話していたあれを作ったのがMarcusです。Marcus、前に話していた人がPriyaです。」 頻度: 月に一件で十分。

自分の強みを手放さずに、知っていることを教えるには?

気にせず教えてください。書き出されたくらいで消えてしまう強みなど、あなたは持っていません。それに、自分の技のどこを本当に自分のものにしているのかを知るには、教えるのがいちばん速い方法です。

Memory and Cognition誌で報告された研究では、あとで人に教えるつもりで文章を読んだ人は、テストを受けるつもりで読んだ人より多くを思い出し、しかも頭の中での整理のしかたも優れていました。説明する準備をすると、その知識の持ち方そのものが変わるのです。平たい言葉で口に出せない部分こそ、あなたがごまかしていた部分で、そこは一年のひとり練習よりも、真剣な生徒ひとりのほうが速く見つけてくれます。ここが複利になるところです。後輩に使った一時間は、自分の仕事から差し引かれた一時間ではなく、証人つきで自分の技をもう一度おさらいした一時間なのです。

かかるもの: 二時間の準備。その大半は、あなた自身の仕事もよくします。 言い方: 「木曜に、これのやり方を三人に通しで見せます。入りますか?」 頻度: 四半期に一度あれば、自分に嘘をつかずにいられます。

寄付をするべきか、仕事にしている技を差し出すべきか?

技のほうを差し出してください。小さな団体にとって、あなたが専門としていることの一時間は、一般的な手伝いの一日ぶんの価値があります。しかも技は、お金より何年も早く、あなたの手の中にあります。

これは、誰も待たなくていい「与え方」です。土曜を一日、フードバンクの案内表示に使ったデザイナーは、同じ額の小切手では届かないものを動かしています。お金のほうが簡単ですし、お金も大事です。収入の何割と決めておくのも、まったく悪いことではありません。それでも、技はあなたにしかない部分です。そしてそれを差し出してみることが、自分が本当はどれだけできるのかを知る方法になります。誰も点数をつけていない場所で。

かかるもの: 四半期に一度の午後と、いつもの部屋の外で働く居心地の悪さ。 言い方: 「これで食べています。二時間ぶん、いりませんか?」 頻度: 四半期に一度。

誰にも知られないままの、ひとつ

六つの行いのうち、最後のひとつが、いちばん長くあなたの中に残ります。頼んでこなかった人、あなたがそうしたと一生知ることのない人、あなたに返しようのない人を、推すこと。その人が建物にいないときに出す名前。本人の耳には届かない推薦。届く前に、廊下でそっと打ち消しておく反対意見。

いちばん素朴な理由でやる価値があります。効くから。そして続けているうちに、あなた自身が、人から名前を出してもらえる側の人間になっていくから。六つのうち、これだけは何の反応も返ってきません。だからやる理由はひとつ、そういう人間でいると自分で決めた、ということだけです。

一年続ければ五十二の名前。そして、その記録を残している人はほとんどいません。あなたは残してください。日付と、名前と、六つのうちどれをやったか。それだけの一ページが、あなたが本当にこれを続けているという唯一の証拠になります。かかるのは、週に八秒です。

これは、望みを小さくしろとか、働くのをやめろという話ではありません。むしろ逆です。あなたはこれから十年、何かに向けて力いっぱい押していくでしょう。その十年の終わりにまだ立っている人は、持っているものを全部抱えこんだ人ではまずありません。自分のいない部屋で名前を呼ばれる人たちです。十年のあいだ、他の誰かの名前を呼びつづけてきたから。

出典