ちょっとしたヒント
- 結果ではなく、自分で動かせるものを三つ追いかけて。
- 動かせるものは金曜に、結果は年に四回。
- 計画を変える前に、48時間の冷却期間を。
あなたは、何年もかかることを選びました。選ぶものの大きさとして、それはまさに正しい大きさです。そしてそれこそが、あなたの仕事が毎年1月にリセットされるのではなく、積み上がっていく理由です。そもそも何ひとつ選ばない人がほとんどですから、いちばん難しいところは、もう越えています。
残っているのは、測り方の問題です。そしてそれが、いい長期の取り組みを静かに殺していくものでもあります。あなたは、三年目に実を結ぶ何かの、七か月目にいます。ダッシュボードは二週間動いていません。おそらくうまくいっている計画があるのに、うまくいっているという証拠は目の前にひとつもない。力のある人が、何の理由もなく計画を書き直してしまうのは、まさにこの状態のときです。
必要なのは、もっと強いやる気ではありません。目標を下げることでもありません。必要なのは、一度決めたらもう動かさない「測るリズム」です。ノイズをニュースのように報告してくるのを、やめさせるためのリズムです。
何年もかかる目標は、どのくらいの頻度で進み具合を確かめればいいですか?
自分で動かせるものは週ごとに、自分では動かせない結果は四半期ごとに。何年もかかる取り組みで毎日結果を確かめても、返ってくるもののほとんどはノイズです。そしてノイズこそが、うまくいっていた計画から人を引きはがしていきます。
これを、測る量を減らせという話だと読まないでください。正しい層を、正しい間隔で測ろうという話です。この分野でいちばん大きな検証、Harkinらによる138の研究と20,000人弱をまとめたメタ分析は、目標に向かう進み具合を確かめるようにうながされた人は、その目標に届く確率が確実に上がることを見つけました。しかも、進み具合を実際に書き留めたとき、そして誰かに報告したときのほうが、効果は大きくなりました。確かめること自体は効きます。効かないのは、毎朝まちがったものを確かめることです。
ちがいはこうです。自分で動かせるものは週の単位で動きますが、結果はそうではありません。3月にならないと変わりようのない数字を火曜日に見ても、その火曜日については何もわかりません。それでも、それを見た人間は勝手に物語を足します。たいていは、自分にきびしいほうの物語を。
追いかける三つは、具体的に何にすればいいですか?
仕事のためにひとつ、体のためにひとつ、そして人のためにひとつ。三つあれば舵は取れますし、三つなら二十か月目にもまだ書き続けていられます。結局のところ、意味のあるテストはそれだけです。
仕事の一つは、その四半期のいちばん悪い日に、たったひとつしかできないとしたら選ぶことです。本業に向かった時間、出荷した数、交わしたお客さんとの会話、書いたページ数。気分ではなく、数えられるものを選んでください。体の一つは回数です。それがなぜウェルネスのコラムではなく十年計画のリストに載るのかは、次の節でお話しします。
三つめは人です。そして、これを書き出す人はまずいません。毎週ひとり、名前のある誰かのために、役に立つことをひとつ。名前を横に添えて書き留めます。誰かと誰かをつなぐ紹介を送る。その人の一年を左右する立場の人に、具体的なほめ言葉を届ける。あなたがお金をもらっている技能を一時間、それを買えない誰かに渡す。完全にあなたの手の内にあり、一時間もかからず、そして紙の上のほかのどれともちがって、これは返事をくれます。
七か月目は、なぜ何も起きていないように感じるのですか?
結果は四半期ごとで、しかも黙っているのに、あなたの注意は毎日で、しかもうるさいからです。見えているものと、実際に積み上がっているものとの差は、長い取り組みの真ん中でいちばん大きくなります。だからこそ、いい計画が捨てられる場所は、いつも真ん中なのです。
Teresa AmabileとSteven Kramerは、創造的な仕事をしている人たちの毎日の日記を何千件も読み込み、いい一日をつくるいちばん強い要因は、意味のある仕事で前に進んでいるという感覚だったことを見つけました。小さな前進が担っていた割合は、誰の予想よりもはるかに大きく、それを知っているはずのマネジャーたちの予想さえ超えていました。ここから読み取れることは、感動的な話ではありません。手続きの話です。今月、あなたの取り組みが目に見える前進をくれないのなら、自分でつくるしかない。そのための道具が、自分で動かせるものです。
ここで三つめが本領を発揮します。結果は四半期ごとで、黙っています。けれど、水曜日に助けた人は、たいてい木曜日に返事をくれます。その返事は、ダッシュボードには真似のできない速さで届く、本物のフィードバックです。しかもそれは慰めの賞品ではありません。七か月目に出した紹介や推薦が、三年目がそもそも成り立つ理由になることは、よくあるからです。
KEEP CALM の創業者は、この一つを、キャリアまるごとにわたって続けました。彼自身の言葉によれば、自分のまわりにいる人たちをコーチし、育て、助言し、引き上げ、ほめ、後押しする機会をいつも探していたそうです。そして、返ってきた支えは、自分が差し出したものの十倍だったと彼は言います。これは、誰にでも保証できる見返りの話ではなく、彼が自分の二十年について語った話です。そして、彼が実際に何をしたのかが具体的だからこそ、この話には値打ちがあります。
十年計画のリストに、なぜトレーニングが入るのですか?
ほかの何もが実らないときに、それだけは実り続けるからです。トレーニングは、四半期のいちばん悪い日でも完全にあなたの手の内にあり、その週のうちに返ってきます。そして十年という単位で見れば、あなたがまだこの道にいるかどうかを決めるもののひとつです。
セルフケアではなく、インフラとして書いてください。創業者は、キャリアを築く重圧を、一部はトレーニングで受けとめていました。ここでの正直な言い方はこうです。きついセットとは、負荷のもとで練習する落ち着きのことです。あなたが会議で必要になるもの、つまり重いものを前にしても呼吸を普通のまま保つ力を、そこでリハーサルしているのです。
悪い月を生きのびられるように、この一つは退屈なままにしておきましょう。World Health Organization(世界保健機関)は、大人の下限を週150分の中強度の運動としています。50分を三回か、30分を五回です。出来ではなく、回数を数えてください。気分が最悪だった週に記録した一回は、調子が最高だった週の英雄的な一回より、この仕組みにとっては価値があります。自分で動かせるものの意味は、必要なときに自分の意思で出せることにあるからです。
計画が本当にまちがっていると、どうすればわかりますか?
計画を変えるときは、必ず48時間の冷却期間を置いてください。そして、感情の言葉を使わずに一文で書ける理由を求めてください。その理由が木曜の朝にもまだ立っているなら、計画を変えましょう。ひと晩で消えていたなら、しゃべっていたのはダッシュボードです。
持っておく価値のある区別は、「見直し」と「反応」のちがいです。見直しとは、証拠にもとづいて、前もって決めておいた日に下す決定です。古い計画を新しい計画の横に書き並べて、実際に何が変わったのかが見えるようにします。反応とは、悪い数字を見た夜九時に下す決定です。そして内側から見ると、この二つはまったく同じに感じられます。問題のすべては、そこにあります。
だから、見直しには日程を与えてください。四半期ごとの結果レビューが、計画を変えていい場です。そして「変えていい窓」がこれから来ると知っていることこそが、何も動きのない火曜日を、何にも手を触れずにやり過ごせるようにしてくれます。レビューとレビューのあいだは、自分で動かせるもののほうは自由に変えてかまいません。それが安全弁で、たいていはそれで足ります。
十年ぶんの金曜日が、あなたに買ってくれるもの
金曜日の二十分、三つの数字とひとりの名前、そして一年に四回の正直なレビュー。華やかさのない仕組みですが、六年目にもまだ回っているのはこちらです。毎日のダッシュボードと、削った週末の上に建てたほうは、二年目で止まりました。
これはどれも、望むものを小さくしろとか、ゆっくり行けという話ではありません。難しい何かに、本当に手に入るまで長く向かっていられるようにするための、段取りの話です。真ん中の何年かを、もともと問題のなかった計画の蒸し返しに使わずにすむように。今週、三つを選んでください。金曜日のレビューを予定表に入れてください。そうしたら仕事に戻って、確かめるのをやめましょう。
出典
- White Rose Research Online, Does Monitoring Goal Progress Promote Goal Attainment? A Meta-Analysis of the Experimental Evidence
- Harvard Business Review, The Power of Small Wins
- World Health Organization, Physical activity